2011年1月14日金曜日

フロイスの見た信長と秀吉

歴史はとにかく面白い。

特に、信長、秀吉、家康が活躍した戦国時代と幕末は、それが乱世の世だけに個性豊かなキャラクターが数多く登場する。

戦国時代に関する本は多いが、この本はちょっと異色で、いわゆる歴史小説ではない。
宣教師ルイス・フロイスの書いた「日本史」のダイジェスト版で、外国人である彼が、直接、信長や秀吉に会い、見て感じたままを記した貴重な記録集である。



日本とは全くの異文化に生まれ育ち、信長や秀吉の権力システムとは完全に独立した社会に生きる存在であったことから、冷徹な眼差しで客観的に彼らを分析している点が非常に興味深い(もっとも、信長、秀吉がキリスト教に対して好意的かどうかによってその評価が左右される傾向があるようだが、、、)。

現代人は戦国時代の日本人からみれば、異文化育ちの外国人のようなものだろう。だから、もし我々がタイムマシンに乗って当時に行き、実際に彼らに会ってみれば、フロイスと同じような印象を彼らに対して持つのではないだろうか。

この本を読むと、多くの歴史小説に散々書かれてきた信長や秀吉像とは異なり、妙にリアルで生々しい彼らの姿を感じることができて面白い。

特に秀吉に関しては辛口で、「彼は優秀な騎士であり、戦闘に熟練していたが気品に欠けていた。」としている。おそらく、実際の秀吉は全くその通りの人物だったのだろう。