2011年10月3日月曜日

ノーベル医学・生理学賞

今年のノーベル医学・生理学賞は免疫分野から選ばれた。

自分も大学院時代から一貫して免疫分野、特にまさに今回受賞対象となったToll like receptorに代表される自然免疫や樹状細胞の分野で研究してきただけに、ボイットラー、ホフマン、スタインマンの三教授とも馴染みの研究者だ。

分野として馴染みというだけでなく、ボイットラー研究室は自分の留学先であったサンディエゴのスクリプス研究所にあり、ボス同士が仲良かったこともあってボイットラー研究室にはよく試薬をもらいに行っていたし、もちろん研究室で何度もボイットラー教授とも会ったことがある。

また、ボスとボイットラー教授のお父さんが親友で、高齢で血液悪性疾患にかかり体調の悪かったそのお父さんのことをボスが何かにつけ心配し、サンクスギビングデーに家に招待できたと喜んでいたのを思い出す。

全ては今となっては懐かしい留学時代の思い出だ。











(スクリプ研究所空撮:Webより転載)



ただ、ボイットラー教授と同じかむしろそれ以上の功績を自然免疫分野で残した阪大の審良静男先生が選考から漏れたのには驚いた。審良先生には大学院時代お世話になっただけに非常に残念でならない。ボイットラー教授のみ受賞し審良先生が受賞しないというのはなんとも不自然な話だと思う。

樹状細胞で受賞したスタインマン教授とは面識はない。

ただ、今回彼がノーベル賞を受賞した仕事の屋台骨の部分は、現在京大生命科学研究科教授である稲葉カヨ先生がスタインマン研究室留学時代に彼女の手で行った仕事ということはよく知っている。

いわば、一番弟子の稲葉カヨ先生あっての今回のノーベル賞受賞だ。

これも留学時代、テキサスでの学会会場で稲葉先生にお会いしたことがある。
昼食時、一人で静かに食事している稲葉先生にこれはチャンスと話しかけて数分話をしてもらった。
これも今となっては懐かしい留学時代の思い出だ。

iPS細胞の山中先生、樹状細胞の稲葉先生、そして自然免疫の審良先生、日本人研究者はみんな優秀で層が厚い。

頑張れニッポン!!